2017-05-11
竹田工務店株式会社は住宅の国産材による木質化を推進しています。
木質化を推進する理由
木の特性により、湿気を調整し、肌触りや見た目が良く、快適な家ができる。
木の特性により、アレルギーの原因物質を抑え健康な家となる。
木の家は加工性が良く、自由な提案が行いやすい
木の構造は長寿命で、強い。
昨今一般的に多く使われている工業製品の建材は接着剤で固めたり、化学物質を多く含む製品が多く、住環境で大切な機能が損なわれているものが多くあります。一見、木のように見える製品でもたいていの製品は木目調であり、木の模様を描いているだけのものが多く、木の特長がないものが多くあります。
国産材を推進する理由
近くの材木を使う事により輸送によるエネルギー負荷を抑え、資源・環境保全に努める。
林業が栄え、山の手入れができ、健全な国土を保つ事に貢献できる。
日本の林業は、計画的に植林するため伐採しても環境破壊にならない。
国産材木をどんどん使った方が実は環境貢献になる。
国産材はかなり安くなってきた。
このように、日本の木を多く使う事は素晴らしい事でありますが、現在の日本の住宅は過去の住宅に比べ、木を使う事が少なくなってきており、使われていたとしてもその多くは輸入材になっています。この事実を多くの方に知って頂きたいという事で、弊社が所属するひょうご木のすまい協議会では毎年、兵庫県のご協力のもと、兵庫県産材で家を建てるための山林・製材所・木の家ツアー(産地見学ツアー)を開催しております。
前置きが長くなりましたが、今年もツアーを開催しましたので、ご報告します。
まずは、木の伐採現場の見学です。林業をされている方からご説明を頂きました。
木の伐採のようすです。木が倒れる様子は大迫力で見ていて楽しいものです。
重機で原木の枝をはらい、材木の長さにカットしています。昔は手作業の重労働であったものが今は、機械により簡単に行えるようになりました。ハイテクな重機で原木を加工する様子は想像を超える驚きがあり、一般の方がご覧になっても楽しいものだと思います。写真を良く見ると重機からチェーンソー(のこぎり)が出て、木をカットしている事がわかります。
次に製材所に行きました。近畿でも最大級の製材所という事です。
山から運ばれてきた原木です。
機械を通してきれいに皮がむかれた丸太が出てきています。
機械により流れ作業で必要なサイズにカットされています。
カットした不要な木や木屑は全てこの工場で燃やし、材木の乾燥のための熱源とします。無駄が一切ない極めてクリーンな製材所です。写真はその木を燃やす窯です。
下の写真はカットされた不要な丸太の木切れですが、これも木の乾燥の燃料に使われます。参加者は自由に持って帰って良いという事で、皆様こぞって持って帰られました。
良質な材木となるためには木をある程度乾燥させる必要があります。下の写真はその乾燥させる施設の様子です。
乾燥終了後の木です。色が濃いですが、削れば美しい木になります。
機械を使って、木の乾燥をはかる体験をしています。乾燥前と乾燥後の木の重さがぜんぜん違う事に驚かれていました。
完成した材木を保管している場所です。
これまで、構造となる木の製材所を見てきましたが、次にフローリングなどの仕上げとなる木の加工工場を見学して頂きました。
最近注目されているペレットストーブの熱源となるペレットもここでつくられています。ペレットは木の加工場でできた木屑を固めたものなので、極めてエコロジーなものとなっています。
材木を組み立てるためには四角い木のままではできませんので加工が必要です。昔は全て大工さんが加工していましたが、最近のほとんどの木造住宅はコンピューターと機械で自動的につくっています。これをプレカットといいます。プレカットにより、安く、精度の狂いが少ないものができるようになりましたが、その反面、大工さんの多くの仕事がなくなりました。便利になりましたが、これが大工が激減する一因となっています。大工の技術継承のためにも工務店として考えていく必要があります。
こちらのプレカット工場は全て機械任せではなく、常駐の大工がいて、機械で難しい仕事は大工さんの手仕事で行っています。
最後に我々が建てる木の家の実例を見て頂きました。「こんな家に住みたい!」という声が参加された方から多く聞かれました。参加された方も住宅に対する意識がきっと変わったと思います。
家とはこんなものだと思われている事が実は違うかもしれません。健康で長持ちする本当に良い家を普及するため、良い家づくりを知って頂き、この業界の実情を知って感じて頂く事が、環境貢献にもまちづくりにも、住まれる方の幸せにもつながると思っています。「本当に良い家」の普及のため、この活動は今後も続けていきたいと思っています。毎年、春と秋に開催されますので、皆様もぜひご参加下さい。