2022-10-03
今回も現場に机を置き、朝から夕方まで設計をしました。
現場では紙面でわからない視点、時の変化が見えてきます。
ある、農家の家の設計。
3年前、築70年を超えるご自宅が使いにくいと、全面改修(リノベーション)の依頼があった。昔ながらの間取りで、台所が座敷から離れた所にあり、家事をしているとどうしても家族と距離が離れてしまう。家族と共に過ごされたい奥様は、リビングに台所が接する間取りにしたいというご要望であった。
そういった中、弊社の新築完成見学会にご夫婦を招待した。
老後の夫婦の住まいの設計。
お子様達は大きくなったものの、奥様はやはり家族と一緒に過ごせる住まいが欲しいという想いが強く、母屋の近くで新しい住居を新築する決意をされた。同居されているお母様は、思い出のある母屋にそのまま隣で暮らされる。
ご要望は下の写真にある農業家屋を取り壊して2階建ての新築住宅に建替えて欲しいとのご要望に変わった。
4人のお子様のうち、1人はこの家を出て独立しているものの、3人のお子様は今も同居している。同居のお子様は社会人2人と高校生1人。子ども達は立派に大きくなっている。
寝る事ができるだけの小さなスペースで良いので、出て行ったお子様も含めリビングを囲んで4人の子ども達の個室をつくって欲しいとのご要望であった。
つまり、家族5人、時々6人でそれぞれの子ども達の個室があり、常に家族の気配が感じられる家を設計して欲しいとのご要望であった。
しかしながら、このスペースでは間口があるものの、奥行きがなく狭かった。
周囲を見渡したところ、すぐ北に広いスペースがある。現在お住まいの母屋とも隣接している。
ここであったら、ご要望の内容の家ができそうだ。問い合わしたところ、この場所も所有されているということであった。
私はここに新居を建てることを提案した。
ご夫婦は私の提案を取り入れられ、ここに家族6人がリビングに集まれることができ、老後2人になることを想定した平屋を設計する事になった。
ここは近隣の子ども達の遊び場となっていた思い入れのある場所。近所のみんなが集える場にしたいとのご要望であった。
そういった、ご要望の中、今回も現場にて設計する。
敷地周囲を見渡したところ、こちらの方角が景色が広がり良さそうだ。
その方向を歩いてみる。
畑に向かって坂をおりていく。
見返すと下の写真。
「お仕事お疲れ様!お帰り!!」という言葉が頭をよぎった。
この坂を登りまっすぐ住まいに帰ってゆく「お帰り坂」になりそうだ。
周囲を見る。
様々な花が咲いている。
いろんな実が実っている。
豊かな暮らしが思い描ける。
小学生が帰っていく。
縁側から、「お帰り!気をつけて帰ってね!」という情景が頭をよぎった。
地域と関われる家ができそうだ。
こちらの方向には森がある。借景ができそうだ。
丘の上に登ってみる。丘の上の道からはこの敷地がどのように見えるだろうか?
広範囲に歩いて見る
場所を変え、設計する。
また、場所を変え、違った角度も体感する。
今回もそのようにして設計してゆく。
家族、地域と関われる楽しい家ができそうだ。
その場でプランの方向性の合意が得られた。
持ち帰り、詳細設計へと進めて行く。
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