2022-02-18
今回は家の暑さ寒さに関わる話です。
外壁にはタイベックシルバーを張っています。
これは、透湿防水シートといって、外壁から雨がにじんで来ないようにする「防水」という役割と、壁内結露を少なくするために外壁の中の湿気を外気に排出する「透湿」という役割があります。
今や、ローコスト住宅でも必ず施工するのがこの透湿防水シートです。ここでも出ているとおり、
木造住宅では湿気対策が極めて重要です。
なぜなら、木は水に弱いのではなくて湿気に弱いからです。
木は水に濡れても腐りません。ある一定の湿気と温度に達したときに腐朽菌が発生し、この腐朽菌により、木を腐らせます。また、湿気はシロアリやカビが好みます。湿気対策をする事が家にとっても人にとっても重要です。このタイベックシルバーは透湿防水機能に更に遮熱性能を付加したシートです。断熱性能をいくら良くしたところで、室内の室温は変わりません。断熱材は室内の冷暖房性能を上げる為にあり、家内の熱が逃げにくく、屋外からの熱が伝わりにくくするためにあります。ですから、断熱性能を高めても、夏場の室内の温度は気温と変わらないということです。
「遮熱」は太陽からの熱い日差しを室内の入れにくいようにする機能です。
弊社の家はこのタイベックシルバーにすっぽりと囲われています。完成した家に夏場訪問すると涼しい。窓を開放すると尚涼しくなります。軒が壁よりも大きく出している事も夏の暑さを抑えるためのデザインとなっています。
屋根はもっと太陽の熱射を受けます。
ですから、屋根の下にもこのタイベックシルバーを張ります。
さっきと違うシートのようにみえますが、屋根ではシートの裏面を室内に向けているためです。遮熱機能がある銀色の面は外側に向けています。
遮熱性能を得るためにはシートの外側に通気層が必要になります。屋根のシートの上側(外側)は屋根の下と上に通気口を設け、暑い空気と湿気が抜けるようにしています。こうする事により、夏の暑い日差しから、室内を守ることができます。また、このシートは断熱材を外に漏らさない役割もあります。
気密性能を高めるため、気密テープを貼っていきます。黒いテープがそれです。
屋根の断熱材はデコスセルロースファイバーとしています。
断熱材にセルロースファイバーを採用している理由は
①湿気調整に優れている
先にも書かせて頂いた通り、木造住宅は湿気対策が極めて重要です。
このセルロースファイバーにより、壁内結露から家の構造を守り、室内を湿気調整し、
カビやダニがわきにくい快適な環境にします。
②断熱材専門施工業者により、スキマ無く断熱材が充填できる。
また、セルロースファイバーは防音効果があり、静かな住環境を生み出すという付加価値があります。
セルロースファイバーはリサイクルした新聞紙を使っています。紙は木からできていますから、木の断熱材といって過言ではありません。
紙は燃えやすく、水に弱いため、そのデメリットを解決する処置がなされているセルロースファイバーが「デコス」です。
デコスセルロースファイバーは植物由来のインクを使用している新聞紙のみ原料としているので、化学物質も出ません。
さて、デコスセルロースファイバーの工事の様子です。
まず、デコスシートを張っていきます。この内側にセルロースファイバーを充填していきますが、デコスシートはセルロースファイバーが溢れないようにする役目があります。デコスシートは透湿性に優れています。
一般的には壁の湿気を室内に入れないため、ビニールシートを貼ります。
これは防湿層と言って、長期優良住宅に求められていることです。
ビニールシートは構造を腐らせる室内の湿気を壁の中に入れないために設置されます。
デコスセルロースファイバーは湿気調整ができるため、ビニールシートがなくても長期優良住宅の認定が得られます。
デコスの代理店から
「ビニールハウスに住みたくないでしょ。」
といわれ、上手いこと言いよるなあと感心したことが思い出されます。
一般的に多く採用されている
グラスウールやロックウールの断熱材はビニールハウス
にしなければなりません。住まいが息苦しくなるような感じがしますね。日常生活で持ち込まれる家具や本からも化学物質は出ています、ビニールシートで囲われた高気密な家は化学物質を室内に閉じ込める不健康な家となります。
デコスセルロースファイバーは室内外の湿気調整ができますので「呼吸する家」と言えます。
「呼吸する家」は湿気調整の他、ダニやカビを抑え、化学物質や室内の嫌な匂いを分解した快適な住環境を生み出します。
この家(新築施工例 大きな吹抜がある大屋根の家(神戸市西区))も長期優良住宅の認定を取得し、地域住宅グリーン化事業により、130万円の助成を国から頂いています。
このように、断熱材の選択は住まい環境にとって、断熱性能意外にとても重要な役割があります。家づくりをされる際、「断熱材は何を使いますか?」と是非質問して下さい。
屋根にセルロースファイバーを吹き込んで行きます。デコスシートがパンパンになり、しっかりと充填されていることが分かります。
壁の断熱材もデコスセルロースファイバーとします。
デコスシートでしっかりと壁が包まれているため、壁に木屑がくっつきにくく、現場もきれいになります。
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