高気密高断熱よりも重視する事。人の健康と建物の健康(断熱材の工事)

高気密高断熱よりも重視する事。人の健康と建物の健康(断熱材の工事)

エネルギーロスを抑え、温度ムラの少ない快適な居住空間を創るために高気密高断熱住宅にする事は重要な事です。

 

しかしながら、住宅の高気密化により、他の問題も生まれました。

 

1つは化学物質過敏症です。高気密化により家の隙間風が無くなってしまったので、建材から発生する化学物質が室内にこもってしまい、体調を崩してしまう方が増えました。有害物質の発生量が最も少ないランクのF☆☆☆☆(エフフォースター)であっても微量に発生している場合が多いので、化学物質過敏症になられる方もいらっしゃいます。

 

このような住宅を

「シックハウス」とよんでいます。

 

ですから弊社では自然素材を極力採用するようにしています。自然素材はそもそも化学物質を含んでいません。建築基準法上では使用の制限がない「規制対象外」になります。また、化学物質を吸着して再放出しない材料も多くあります。やむを得なくF☆☆☆☆の建材を使わなくてはならない場合も室内を避けるとか、人体に有害な化学物質を含んでいない建材をできるだけ採用するように心がけています。これが、人の健康として重視している内容の一つになります。

 

建物の健康として重視している事は

 

「壁の中を湿気させない」

 

ということです。これは壁内結露という現象です。壁内結露が発生する事により、構造材である木は腐っていきます。

湿気ると下の写真のようになります。

壁内結露がなければ火事や想定外の天災、人為的な撤去がない限り木は永遠に存続すると言っても過言ではありません。

 

実際私も増築やリフォームで壁をめくると断熱材が黒くなっている事を良く見ました。

 

黒ずんでいる正体はカビです。

 

壁の中が湿気るからカビがはえ、腐朽菌が発生し、構造である材木が腐るのです。壁の中がこんなんだと室内の空気もアレルゲンでいっぱいになりますよね。この頃アレルギーや花粉症の人が多くておかしいと思いませんか?人は昔から人で変わらないのに、アレルギー症状が増えるという事は生活習慣と環境が変わったためではないでしょうか。

 

一般的に使われる断熱材はグラスウールです。グラスウールは湿気を吸収しないので、壁の中に湿気が入って来ないよう室内側に防湿層というビニールを張るか、もともとビニールの袋に入ったものを使います。

私も当初断熱材はグラスウールやロックウールを使用していました。ビニールに穴が空くと、室内の湿気が壁の中に入るので、気密テープできっちり塞ぎます。しかし、工事中、ぶつけてしまう事もあるので穴があきます。みつけたら又塞ぎます。それでも穴があいちゃいます。又塞ぎます。を繰り返すと「無理だ!」と私は思いました。よっぽど丁寧に工事しないとビニールに穴があかない工事は事実上不可能と私は判断しました。コンセントとか、壁ができてからビスを留めたりもするから、完成後もビニールに穴を空けちゃったりする事もあります。しかもこのビニールが尚更壁の中に湿気を貯めてしまいます。

 

そこで、私は壁に穴が空いてしまう事を前提に壁の中が湿気ない断熱材はないだろうかと探していました。それがセルロースファイバー、羊毛、ウッドファイバーの断熱材です。これらは湿気が多い時には吸収して、少ない時には排出して、壁の中が湿気ないように自然と調整します。たまたま自然素材に由来する材料ばかりです。だから結果自然素材が良いということです。室内にビニールを張らなく良いのでビニルハウスにならず、湿気を吸うたり吐いたりする呼吸できる家となります。

 

西明石の木の家では外壁の断熱材として、「デコスセルロースファイバー」を採用しています。デコスセルロースファイバーは断熱性はもちろん、湿気の調整、防音にすぐれ、燃え広がらなく、水をはじき、シロアリにも食べられない処理がされています。奥様が将来娘さんとピアノを弾きたいというご要望があったため、防音性が兼ね揃えているセルロースファイバーを採用しました。内側にはっている青い碁盤目状のシートは湿気を通すシートとなっています。そのため、セルロースファイバーの優れた湿気調整機能により、室内の湿気も調整し、快適な室内となります。

丈夫なシートが張られているため、木屑が断熱材に絡みつかずきれいな工事現場となります。

 

天井は施工性の良い、羊毛断熱材の「ウールブレス」を採用しています。こちらも湿気調整に優れた断熱材となります。

 

自然素材の断熱材に囲まれると、ほっこりとした安心感ができます。安心感というの住まいとして理屈抜きにして重要な事ではないでしょうか。

 

昨今、過度な高気密高断熱のスペック競争が見られます。スペックが上がる事は良い事ですが、その分コストも上がります。家はエネルギーロスを少なくする事だけが指標ではございません。昨今、数値はこれ以上ないとダメという数値的なスペックばかりが良い家の指標となっているきらいがあります。高気密高断熱住宅であることは当然の事ながら、人の健康、家の健康を考えるならば、数字だけを追い求めず、室内及び壁の中の湿気対策も考えて断熱材を選択していただきたいと思っています。

 

次の工程のブログはこちら→ 木工事(1)~環境を守るため材木は国産材を使う(木工事:内部下地、天井、フローリング)~

 

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