2018-01-24
断熱材は断熱性能を確保した上で、家の性能を損なわない材料や工法を採用しています。今回は天井と壁の断熱材として羊毛断熱材であるウールブレスを採用しました。
丈夫で長持ちする家をつくるためには壁の中の結露、いわゆる壁内結露を起こさせない事が重要です。これは室内への断熱よりも重要な事だと思っています。なぜかというと誤った断熱工法をすると家を倒壊させる可能性があるからです。結露が起こると柱などの構造材を腐らせ、家の強度が一気に落ちます。結露はカビやダニも発生しやすくなります。そうなると日々暮らされている住まいがカビやダニで囲われた不健康な家になります。ですから弊社では家の断熱の工法について、壁の中を結露させない事を最重視しています。
一般的にはグラスウールやロックウールが断熱材として多く採用されます。採用の理由はローコストだからです。これらは湿気を処理できない材料ですので、別途隙間なく壁面に防湿層というビニルを張る事により、壁の中に湿気が入らないようにしようとしています。理論上はこれでOKです。我々はこのような家を「ビニルハウス」と言っていますが、日々暮らしていく家なのにどこか息苦しい感じがします。しかし、実際には完全に隙間なくビニルを張る事は難しく、施工上どうしてもどこか穴があいてしまいます。その穴から湿気が流入するとビニルが湿気の排出を阻害し、余計に壁の中に湿気をためる事になります。つまり、ビニルハウスでは、余計にカビやダニを増殖させやすく、構造材を腐りやすくする工法となってしまいます。いわゆる呼吸ができない家になります。下の記事は壁内結露が発生した様子です。安価だからといって、家を支える構造材をこうはしたくないものです。
ビニルハウスはイメージも息苦しいですが、実際に息苦しくなっている事がお分かりだと思います。それでしたら、逆転の発想として、壁の中に充填する断熱材そのものに湿気を調整する性能があれば良いのではないかと考えました。そうするとビニルハウスにする必要はありません。断熱材そのものに湿気を調整する性能があれば、壁の中を健全にする上に、ビニルも必要ありませんので、室内の湿気を調整する効果も高まります。「呼吸する家」となり、室内の環境も良くなります。こうして人にとっても建物にとっても快適で健康な家になります。
今回はその性能を発揮する断熱材として羊毛断熱材であるウールブレスを採用しました。
長期優良住宅では防湿層の有無の項目がありますが、ウールブレスは防露認定が取れていますので、そもそも防湿層というビニルが不要です。
羊毛は羊の毛ですので、化学製品ではなく環境を損なわない自然素材となります。製造する過程でも環境にやさしい材料となります。
工事はお裁縫で使う断ち切りばさみでジョキジョキ切って、ステープルで留めるだけ。
浴室廻りもしっかり断熱。お風呂は裸で入る所。特に断熱が必要です。
家がウール100%のふとんに包まれたようなもの。人が住む家として、見た目にも暖かなやさしい雰囲気です。工事現場でもホッとします。
隙間があれば、ウールをちぎって、そこに詰めるだけの簡単施工。グラスウールはのども体もチクチクしますが、ウールブレスはそれがありません。現場の大工さんにも優しい材料となります。
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