2020-05-07
桧の無垢材の階段はリビングと一体となった吹抜にあるため、細部のデザインをこだわって製作しております。そのため、階段は手仕事で造ります。昨今は工場生産(プレカット)の階段をつける事が多いので、手仕事となると大工の高い技術力が必要です。更に、設計で窓との関係性、階段の下は便所となっていますのでその寸法的な関係性、手摺も手仕事で作成していますので高い技術力と緻密な設計が必要となります。
下の写真は階段の親板(ササラ桁)に加工する線を書いています(墨付け)。親板は踏板を乗せる構造材となります。この材料は階段下の便所内の一部を除いてほぼ見えない材料です。奥が階段を設置する部分です。
下の廻り階段部分は柱を立てて、壁とこの柱で踏板を支えています。廻り階段の踏板は寸法が大きいので一枚板ではなく、桧の積層材としています。
親板を階段状に加工していきます。
親板がきっちりと入るか確認するため、仮置きします。見ての通り手前の便所の窓と奥の階段の窓がぴったり入る設計となっています。緻密な計算が必要です。
反対側の親板も設置します。こちら側は壁がないので、随時柱を立てて設置します。便所の入り口がありますのでそれを避けるよう計算して設置します。
踏板と蹴込板を加工して設置します。傷つかないようすぐに保護します。(養生)
下段の手摺の柱を立てています。手の幅に合わすよう細くしています。
手摺の高さに柱をカットしてその上に下地の笠木を設置します。外壁側に斜めに板を設置していますが、これは外壁側の手摺の取付下地です。
仕上の笠木を取り付けています。木の部分を薄く見せるため見える部分は切り欠いています。この上にかまぼこ型の手摺を乗せます。
吹抜の手摺とその下のくり棒を設置しました。くり棒はタモの丸棒を使っています。階段と連続しています。
階段手摺をかまぼこ型に加工しています。こちらも大工の手仕事で製作します。
かまぼこ型の手摺がきれいに磨けました。
かまぼこ型の手摺を設置しました。
壁に石膏ボードを張りました。
外壁側の手摺を設置します。手摺の台座が壁に設置されています。
外壁側の手摺を加工します。四角い材木の角を丸くします。
外壁側の手摺を取り付けてから壁を左官で仕上げます。
手で触る部分ですので蜜蝋ワックスを塗って仕上げます。
完成です。
次の工程のブログはこちら→木工事(3)~ワークカウンター付キッチンの製作~